プレスリリース
オンラインカジノ経験者への緊急アンケート 2025年3月7日
報道関係者各位
2025年3月7日
公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会
オンラインカジノを始めたきっかけ 無料版広告やアフィリエイターの影響か
「広告やSNSで見かけた」23.7%、「YouTubeや配信サイトで見て」22.6%
~オンラインカジノ経験者への緊急アンケート~
公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会(所在地:東京都中央区、代表:田中紀子)は、
オンラインカジノ経験者に対し、ギャンブル依存症当事者と犯罪行為、特に闇バイトについての緊急調査を行いました。
(回答数:93人、回答者属性:ギャンブル依存症問題を考える会の支援に繋がっているオンラインカジノ経験者)
<調査結果サマリ>
● オンラインカジノを始めたきっかけは「広告やSNSで見かけたから」が22名(23.7%)、「YouTubeや配信サイトで見て興味を持ったから」が21名(22.6%)など
● オンラインカジノを始めてから借金をするまでの期間は「1週間以内」が30.1%、「1か月以内」が33.3%
● オンラインカジノが原因の犯罪行為「有り」が46.2%と半数近く。中には闇バイトも含まれる
● オンラインカジノが違法だと「知らなかった」52.7%
オンラインカジノを始めたきっかけは「広告やSNS」「YouTubeや配信サイト」という回答が多くみられました。オンラインカジノの「無料版」は現状では賭博ほう助として取り締まることができていません。また、SNSのプラットフォームでは違法広告が表示されていたり、オンラインカジノへ誘導するアフィリエイターやYouTuberも存在しています。これらの対策がされない限り、オンラインカジノへ誘い込まれてしまう人は後を絶ちません。
また、オンラインカジノを始めてから借金をするまでの期間については3割が「1週間以内」と驚くべき早さで借金に至っていることが明らかになりました。「1ヵ月以内」をあわせると6割超にものぼります。この借金は犯罪行為に手を染める原因になりやすく、データでも46.2%がオンラインカジノを原因とした犯罪行為「有り」と回答しました。その中には「口座売買」、「携帯の転売」、「詐欺」などのいわゆる闇バイトも含まれます。
オンラインカジノの違法性については、違法だと「知らなかった」が52.7%と過半数を超え、多くの人々が違法性の認識のないままオンラインカジノを行ってしまっていることが分かりました。
<調査結果について>
オンラインカジノを始めたきっかけについて尋ねたところ「広告やSNSで見かけたから」が22名(23.7%)、「YouTubeや配信サイトで見て興味を持ったから」が21名(22.6%)などがあげられました。

オンラインカジノを始めてから借金するまでの期間については、「1週間以内」が30.1%、「1か月以内」が33.3%にのぼりました。

オンラインカジノが原因の犯罪行為については、「有り」が46.2%。半数近くに犯罪行為があることが分かりました。

また、犯罪行為の種類について尋ねたところ、「口座売買」、「携帯の転売」、「詐欺」など、いわゆる闇バイトに手を染めてしまったという回答も見られます。

また、オンラインカジノが違法だと知っていたかどうか尋ねたところ、「知らなかった」が52.7%と過半数を超えました。

<当会から国に対する要望>
これらの結果を受け、当会からは改めてオンラインカジノの対策を要望しました。
違法オンラインカジノ問題への早急な対策を求めます
違法であるオンラインカジノが急速に拡大しつつある中、現在も日本のオンラインカジノの規制は立ち遅れ、金融代行業者、アフィリエイターやYoutuberといった、国内でオンラインカジノに加担する者らが野放しにされています。サイトブロッキングの実施、国内における関与者(アフィリエイター、送金業者)への対策強化、厳罰化及び取り締まりへの予算・専門人材の確保など、早急な対策を求めます。
(1)オンラインカジノ広告の全面禁止、その他、勧誘策の規制、厳罰化、取り締まり強化
オンラインカジノの無料版という言い訳を許さないでください。無料版では企業は成り立ちません。無料版広告は有料版に誘導するための目的で作られていることは、歴然としています。現状、日本では無料版だと、賭博ほう助として取り締まることすらできていません。
無料版であっても、オンラインカジノに関する広告は明確に禁止してください。
● 違法CMを載せているXなどのプラットフォームにも罰則を科してください。
● オンラインカジノへ誘導するアフィリエイターやYoutuberを厳罰化してください。
● カジノにのめり込ませるために無料で提供されるポイントキャンペーンなどが、オンラインカジノを始めるきっかけのひとつにもなっています。このポイントについても規制を検討してください。
(2)違法カジノ事業者に対する本国への通告
日本では違法業者でも、本国(イギリス)に行けば、親会社は立派な上場企業です。
本国のカジノ管理委員会や、親会社に日本国から正式に抗議をしてください。
● イギリスにはギャンブル法やギャンブル委員会があります。
● マルタ共和国やキュラソー(オランダ領)にもカジノライセンスの乱発について、是正を要請してください。
(3)海外オンラインカジノサイトのブロッキングの実施
ヨーロッパ諸国をはじめとして多くの国が海外の違法オンラインカジノに対し何らかのブロッキング対策を取り入れていますが、日本は何の対策も取られていません。日本でも海外からのオンラインカジノサイトについて、通報や調査に基づき、日本国内では閲覧できないようにサイトブロックするなど、国民を守る仕組みの構築を検討し早期に実施してください。
(4)経済産業省による決済関連の指導、警察の取締まり強化
オンラインカジノにはクレジットカードが使えるサービスが存在しています。経済産業省からクレジットカード会社に指導をしてください。また、オンラインカジノ関連で摘発されている決済代行業者は、マネーロンダリングに関わっている者が多く存在しています。警察庁として、違法取引に関わる金を扱う違法決済代行業者は、外為法、組織犯罪処罰法等による取締りを強化してください。
(5)オンラインカジノ対策にむけた体制の強化および予算・専門人材の確保
オンラインカジノ対策強化に向け、各省庁の取組みを評価・モニタリングし、対策のアップデートを行う専門組織の設置、併せて、専門知識を持った人員の増員など取締り体制の強化を早急に図ってください。
<公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会について>
2014年2月発足。ギャンブル依存症に関する正しい知識の啓発や、当事者・家族への情報や支援の提供、予防教育、支援者同士の連携づくり、政策提言などを行う。 Webサイト: https://www.scga.jp/
<田中紀子プロフィール>

公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 代表 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 研究生。
祖父、父、夫がギャンブル依存症者という三代目ギャンブラーの妻であり自身もギャンブル依存症と買い物依存症から回復した経験を持つ。
著書に「三代目ギャン妻(高文研)」「ギャンブル依存症(角川新書)」「家族のためのギャンブル問題完全対応マニュアル(アスク・ヒューマン・ケア)」
【オンラインカジノ経験者への緊急アンケート pdf】